「アメリカ留学のSIM選び」米国大手から日系企業、現地格安SIMまで9つのキャリアを徹底解説

 今回は、これからアメリカに留学しようという方向けに、僕がお勧めしたい携帯のキャリアをいくつか紹介していく。僕が留学当初携帯の契約で手こずった本人なので、こんな情報があればよかったなと今思うことをまとめてみた。

 よくある「今話題の携帯キャリア○選!」みたいな記事は結局どれが一番なのかわからないことが多いが、僕は今回「ズバリこれ一択」という結論を出してみた。結論だけ知りたい方は一気目次の3.4項から目を通していただければ幸いだ。

 この記事を書くにあたり、Tom’s Guideに投稿された「2021年版アメリカの携帯キャリアランキング」の記事を参考にさせてもらった。英語が大丈夫な方は、こちらのリンクも合わせて読んでみるといいと思う。

<大手キャリア>

 まずは、アメリカの携帯事情に詳しくない方のために、ざっくりと大手携帯会社を挙げてみる。国内シェアのほとんどは以下の3つ。

・Verizon

・AT&T

・T-Mobile

米国シェア第1位)T-Mobile

 ここアメリカでは言わずと知れた有名キャリア。料金プランは安くなはいが、他の競合を寄せ付けないサービスと安心感で、業界トップを走り続けている。

 新しい通信規格である5Gをすでに2億8千万以上のユーザーに提供しており、アップロードとダウンロードの両方で業界最速を誇る。

 Best Unlimited Plan(データ使い放題のハイエンドプラン)の料金は、ひと月あたり$70となっている。

米国シェア第2位)Verizon

 T-Mobile に次いで主流となっているのがこのVerizonという会社。アメリカで暮らすアパートにTVやWiFiがない場合や、アメリカでスマートフォン本体を買う場合には、データプランと同時に購入することでお得になるシステムがあるのでお勧め。

 こちらも決して安くない料金プランだが、T-Mobileにも引けを取らないネットワークが魅力だ。Best Unlimited Plan はひと月あたり$80。

米国シェア第3位)AT&T

 T-Mobileのプランの方が良心的なオファーが多く、Verizonに通信範囲の広さで劣っているものの、AT&Tも業界3位にランクインするキャリアとして有力候補にあげられる。

 Best Unlimited Planは$85。

<日本人向け>

 一方で、顧客を日本人に絞った日本人特化型の携帯会社もある。それらの多くはVerizonやT-Mobileなどの大手企業の代理店であることが多く、メジャーキャリアと同じサービスを日本語で受けられるという点でお勧めだ。

 また、日本にいながらアメリカの携帯・SIMカードを契約・受け取れるサービスがあり、留学生にとっては到着後のバタつきがなくなるので非常に助かる。

アメスマ(データ量重視)

 Terrace House Aloha Stateでお馴染みのギルティー侍こと玉城大志さんがアンバサダーを担うアメスマは、T-Mobileの通信回線を利用している。場合によっては、VerizonやAT&Tなど、他社の回線を希望することもできるようだ。

 ハイエンドプランでも$55なので料金設定はそれほど高くない。日本国内であれば最短翌日、アメリカ国内であれば最短3日で配送してもらえるので、渡航前後の不便さはかなり軽減される。

 アメスマのSIM保険に加入すれば、盗難・紛失、水没・破損があった際に新しいSIMカードを受け取ることができる。保険期間内に2回まで無料で、電話番号の変更なしで対応してくれるのはかなり安心だ。

 SIM保険のプランは期間に応じてそれぞれ$6.99(6ヶ月)、$12.99(12ヶ月)、24ヶ月($19.99)となっている。

Hanacell(SMS・通話重視)

 ハナセルもまた契約から解約まで全て日本語で完了できる携帯会社だ。特に携帯でインターネット通信を行う予定がなく、電話番号さえ持っていれば十分という方にはかなり低価格での契約が可能だ。

 一方、データをたくさん使いたい方には少し心もとないかもしれない。月$29プランでデータ容量は2GB、月$59プランで6GB、ハイエンドプランの月$79でデータ使い放題となる。

 SMSや米国内通話がメインであればハナセル、データ通信がメインであればアメスマを選んだ方が賢いだろう。

<格安SIM>

 今回僕がお勧めするのは大手キャリアでも日本人向けのキャリアでもなく、いわゆる格安SIMと呼ばれるものだ。

 「それってなにかと怪しかったり、サービス面に不安があったりしない?」と格安SIMを侮るのは、この記事を最後まで読んでからでも遅くはない。

 大手キャリアと比較しても全く遜色なく、むしろユニークなサービスを提供しているキャリアが多い。特にMint Mobileは素晴らしい!

Visible(家族向け)

 通信回線がVerizonと同じでありながら、Best Unlimited Planを$40で実現している格安携帯キャリアがVisible。

 複数の回線契約でさらに割引が見込めるので、家族連れの方に特にお勧めだ。2人であれば1ヶ月あたりの回線は$70(一人当たり$35)、4人家族であれば$100(一人当たり$25)までコストを抑えることが可能だ。

 デメリットは、大手キャリアと比べネットワーク混雑時に通信が遅くなりやすいことらしいが、本当のことはやはり使ってみないとわからない。

Google Fi(Pixelユーザー向け)

 Google Fi はBest Unlimited Planを$70で提供しているので格安とまでは言えないが、iPhone以外のユーザー、特にGoogle Pixelユーザーに最大の還元がある携帯キャリアだ。

 通信回線がT-Mobileと同じなので、かなり信頼できる携帯キャリアだ。

Xfinity Mobile(WiFi&データが欲しい方向け)

 Verizonの通信回線を共有し、Best Unlimited Planを$45でオファーしている格安携帯キャリアがXfinity Mobile。

 国内最大手のインターネットプロバイダであるComCastのWiFi契約を既にしているのであれば、Xfinity Mobileは月額の携帯通信料を抑える方法のひとつだ。

 つまり、WIFiとSIMの両方を必要としている方に最もお得なディールであると言える。

Mint Mobile (筆者本命)

 上記記事によると業界7位にランクインしているミントモバイル。あまり知られていないようだが、このキャリアを選ばない理由を見つけるのは難しい。いいところがたくさんあってどこから説明するか迷うが、主なメリットは次の4つ

  1. インターフェースの綺麗さ
  2. 通信圏の広さ
  3. わかりやすい業界最安プラン
  4. アプリ上での操作性

1)洗練されたWEBデザインが心地よい

 まず、最初にホームページを見てみよう。顧客側のことを一番考えてくれているのがこのミントモバイル。

 緑を基調としたシンプルなインタフェースの綺麗さに驚くと思う。必要のない情報に惑わされずに、顧客は安心して自分にあったプランを探すことができる。

 そして何より、マスコットキャラクターの緑のたぬきが可愛いので、印象がとてもいい。

2)全米の94%を網羅

 また、格安SIMとはいえT-Mobileと同じプロバイダーを共有しているミントモバイルはネットワーク環境も安心。

 余程の山岳地帯を除きアメリカの都市町村のほとんどが通信圏内であり、少なくとも留学生が行くような街や観光地は確実にカバーされている。

 アメリカに来て2年ほど、スキーやハイキングで山の方へ行くこともあるが、通信が途切れたことは未だかつてない。

3)シンプル&安い

 ミントモバイルはプランの豊富さにおいては他のキャリアに劣るし、キャッシュバックやオプション割引といった特典も一切ない。

 しかし、やはりシンプルイズベストというフレーズがあるように、その分わかりやすいプラン選びが可能だ。

 データ量は4GB・10GB・15GB・無制限の4つから選ぶことができる。どのプランを選んでも、他のキャリアより十分お得で、Best Unlimited Planはたったの$30!

 たくさんのデータを使わないが電話番号だけは持っておきたいという方から、SNS等で頻繁に動画視聴をする方まで、あらゆる層に対応している。

 最低◯年の契約といった縛りもなく、短期から長期の契約まで幅広く対応しているのも安心だ。期間は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月のプランがあるので、ご自身の留学期間に合わせて調整することが可能だ。

 それぞれ簡単に更新できるようになっており、いつ解約しても違約金が発生しないという点がはユーザーにとても親切だ。

プラン4GB10GB15GBUnlimited
3ヶ月$45$60$75$90
6ヶ月$120$150$210$210
12ヶ月$180$240$300$360

4)アプリ上での一括管理が可能

 ミントモバイルは店舗を持たない携帯会社で、対人サービスは提供していない。

 その分、電話番号の注文から契約の更新・解約まで、全ての管理を携帯のアプリケーションで行うことができる。肝心のアプリの操作性やインターフェースは申し分ない。

 店舗に行って契約なり何なりと済ませてきた方には多少なれないやり方かもしれないが、慣れればこのほうが圧倒的に楽。

 ミントモバイル公式のYoutubeではセットアップの手順が解説されている動画があるので、万が一わからなくても大丈夫。ホームページまたはアプリではスペシャリストの方とリアルチャットで質問したりもできる。

実際に考えられるプラン

プランA

 例えば、2ヶ月間の短期留学をする方にお勧めする場合。契約期間は最短で3ヶ月からしか選べないが、違約金は発生しないので期間は3ヶ月でOK 。

 ホームステイ先や学校、街中のカフェでWIFiに接続できてそこまでデータ量がいらないのであれば、月4GBを選べばいい。

 この場合の契約料は、4GBプラン($15/月) × 3ヶ月なので$45となる。この最安値プラン、大体日本円にして5千円といったところ。3ヶ月、海外生活に必要な通信量が五千円ならかなりお得ではないだろうか。

プランB

 今度は逆に、長期留学をする予定でデータはたくさんあったほうが安心という方の場合。最長で12ヶ月の契約が最もお得なディールで、もしそれ以上滞在するという方でも専用アプリの操作で簡単に更新できる。

 ミントモバイルにはUnlimitedという使い放題のサービスがあって、1ヶ月に15GB以上使うユーザーにお勧めだ。

 この場合の契約料は、Unlimited($30) × 12ヶ月なので$360となる。日本円にして4万円弱、何しろ1年間データ使い放題、このプランは本当に文句なし。

デメリットは2つ

 いいところばかり書いていると逆に信用されなくなってしまうかもしれないので、最後にあえてデメリットを探してみた。

 ひとつめは、追加のデータ料の請求はかなりお値段が張ってしまうこと。例えば1ヶ月4GBプランの方で、月末にすべてのデータ量を使ってしまったが、どうしても追加でデータが必要な時ってあると思う。

 もちろん、ミントモバイルでは追加のデータ量の購入が可能だが、1GBあたり$10を支払わなくてはいけないというのがネック。

 全てのデータ量を使ってしまうくらいなら、プラン選択時にケチらず一つ大きめのプランを選ぶといいと思う。1ヶ月4GBのプランから10GBのプランへたった+$5でグレードアップできるので、このほうが賢い。

 ふたつめは、国際ローミングが割高である点。国際ローミングとはアメリカのそとでデータ通信を行うことを指す。

 つまり、カナダやメキシコへ旅行に行ったり、日本に一時帰国した際に、現地でデータ通信を行えば発生してしまう料金がかなり高めに設定されているということだ。

 目安としては1GBあたり$200ドルがかかってしまうが、どのキャリアも国際ローミングは高くつくのは普通のことではある。

 外国に行く場合は、現地のSIMをレンタルするかWiFiを利用すればいいので、契約する際にはあまり心配しなくても良い。

まとめ

 大手キャリアの3つはよく店舗も見かけるので名前こそ知っていたが、それぞれの料金設定をよくわかっていなかったので、今回のブログ執筆にあたって色々と調べるにいたった。

 顧客を日本人に絞ったキャリアや、家族づれに特典のあるキャリアなど、ユーザーには本当にたくさんのオプションがあることに気づいた。

 個人的にはやはりMint Mobileが断然お勧めであることに変わりないが、それぞれの携帯キャリアにメリット・デメリットはあると思う。

 自分にあったキャリアを見つけるのに、このブログ記事が役に立ってくれたら幸いだ。

 アメリカに来る前の自分にこのブログを読ませたい。実は僕、渡米して一ヶ月ほどSIMカードなしでの生活だった。学校とホームステイ先以外のWiFiの繋がらない場所では携帯は役立たず。散々道に迷い、人に電車の乗り方を聞き、電車の中では教科書を読んだ。携帯のない留学もそれはそれでためになったのかなと今になっては思えるが、、、。アメリカに着いたばかりの頃は学校生活に適応するのがやっとで携帯のことなんかどうでもよかった。外出はいつも冒険だったから携帯を使うこと自体少なかった。3週間ほど経って、パソコンで安く契約できるSIMカードを探していると、同じホームステイ先にいたコロンビア人のルームメイトがMint Mobileのことを教えてくれた。オンラインで探しているだけじゃ辿り着かなかった携帯キャリア。ググってわかる情報は便利だけれど、現地の人から直接教えてもらうことは生活により役立つこともある。

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